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Channel: 学会参加報告 –日本バーチャルリアリティ学会
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Laval Virtual 2016 参加報告

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|◆ Laval Virtual 2016 参加報告
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前田 智祐(慶應義塾大学)
 今年で18回目となるLaval Virtual 2016は3月23日から27日にかけて開催された
VRやARの最先端技術やデモ作品を展示するヨーロッパ最大のイベントである.本イ
ベントでは,VRに関連した国際学会であるVRIC,公募作品のデモ展示を行われる
Revolution,その他企業展示ブースやスタートアップ企業展示,Keynoteなどが会
場内で行われていた.会場全体としては企業展示が多く,VR技術を産業へ応用する
ような展示が多かった印象を受けた.VRICでは,各セクション毎に分かれ,通常の
学会のように口頭発表 / ポスター発表を行なった後に,ワークショップ形式で発
表を行なった研究内容から新しいアイディアを出すためのアイディエーション等を
行なった.
 インタラクティブ作品の国際コンペティションのLaval Virtual Awardでは,筑
波大学の西田氏らのbioSync,高澤氏らのLeaked Light Field from everyday
material,慶應義塾大学の家倉氏らのSMASH Sympathy Media For Athlete and
Spectator through Haptics,東京大学の山田氏らのDrawn Yourself: Drawing
Watercolor Portrait on Real Paperが受賞した.Revolutionも含め,日本からの
参加が多く見られた.また,日本で開催されるIVRCの招待作品として選ばれたの
は,独特の世界観をHMDと可動式の椅子で表現したA Night Stroll in the Alpsで
ある.また,Revolutionでは,数多くの日本からのデモ展示が見受けられた.
 筆者らは,童話「ジャックと豆の木」をモチーフにした物語に沿ったVR作品であ
るニョキニョキ豆の木を展示した.本作品では,ロープデバイスとHMDを用いたCD
による視覚表現により,ユーザの身体を用いたCG空間における没入感のある上方向
への移動体験,擬似的に再現された高所において,実際の高所で感じるようなスリ
ルや興奮が喚起される体験を提供している.フランステレビの取材,ネットニュー
スの掲載もあり,本イベントの期間中では,老若男女問わず約600人以上が体験し
ていただいた.
 Laval VirtualにIVRC作品を招待作品としてデモ展示することができたのは,
Laval VirtualおよびIVRC関係者の皆様のご支援によるものである.ここに感謝の
意を表したい.今後のVRの産業化と研究の発展に伴い,更なるLaval Virtualの活
気が高まることが期待される.

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