Quantcast
Channel: 学会参加報告 –日本バーチャルリアリティ学会
Viewing all articles
Browse latest Browse all 280

WISS2013 参加報告

$
0
0

+———————————————————————-+
|◆ WISS2013 参加報告
+———————————————————————-+

 芥川洋平(京都工芸繊維大学)

 2013年12月4~6日にかけ,高知県のザ クラウンパレス新阪急高知に
て,WISS2013(第21回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワーク
ショップ)が開催された.様々な地方から研究者・学生・企業人が集まり,参加者
は約180名にのぼった.今回の登壇発表には66件の投稿があり,そのうち19件(採
択率29%)が採択された.またデモ・ポスター発表は62件あり,そのうち論文が投
稿されたものは46件であった.
 オープニングでまず,今回の論文採択数の発表やWISS恒例のチャットシステムの
利用についての説明などがあり,その後は3日間にわたって登壇発表とデモ・ポス
ター発表が行われた.デモ・ポスターセッションの開始時には,各発表者による研
究紹介のための時間が1分間ずつ設けられており,登壇発表だけでなくこちらも
Ustreamやニコニコ生中継にも配信された.私は初日にポスター発表を行ったが,
ポスターでの対外発表は初めてだったため少し緊張したものの,WISSならではの気
軽な雰囲気の中さまざまな意見を頂け,有意義な時間を過ごせた.
 登壇発表では,最優秀論文賞を受賞した李らによる「SmartVoice:言語の壁を越
えたプレゼンテーションサポーティングシステム」などの発表があった.会場内で
チャットシステムが運用され,登壇発表中にも厳しい意見なども飛び交っていた
が,発表終了後の質疑応答も非常に活発で,セッション終了後に設けられていた発
表時間外の質疑応答の際も多くの意見交換が行われていた.
 また招待講演では,京都大学の石田亨先生による「智猶水也:研究構想の経験か
ら」についての講演があった.構想を十分練ることを重視したご自身の研究に対す
る姿勢について語られ,最近一発芸が多いと囁かれるインタラクション系研究に刺
激を与える内容だと感じた.
 3日間の発表の中で特に印象に残った発表の1つとして,発表賞を受賞した崎山ら
による「料理画像をアニメーションすることによる魅力的な料理動画生成システ
ム」が挙げられる.美味しそうな料理の静止画に泡や食材の動きのエフェクトを付
けることで,より一層美味しそうと感じる画像を生成するシステムであり,実際に
私もそのように感じることができた.立て続けに現れる鍋の画像から発表者の鍋へ
の愛情が垣間見える発表で,会場内の盛り上がりも最高潮であった.
 さらに,発表以外の時間にも様々な活動が行われた.夕食では会場のホテルで参
加者全員が集まり8人がけの円卓を囲んだが,その座席を決めるにあたり西田らの
開発した「WISS2013夕食席決めシステム」が運用された.これは,事前に「あの人
と話したい」などの希望を事前に入力しておくことで,その希望を反映した座席が
決定されるというものである.私も自身の研究分野に近い先輩研究者と同じ円卓に
座ることができ,アドバイスを頂くなど非常に有意義な時間を過ごすことができた.
 また,食後から深夜にかけてナイトセッションが設けられ,研究以外の個人の趣
味趣向が強く主張されているプレゼンテーションが見れたり,普段交流しないさま
ざまな方とお話することができた.WISSのこのようなイベントは,新しい研究テー
マに対する刺激が得られる他では得難い貴重な場であると思う.
 次回の開催場所や日程はまだ決定していないが,今年も含め例年Ustreamやニコ
ニコ生中継での動画配信が行われているので,楽しみにしたいと思う.


Viewing all articles
Browse latest Browse all 280

Trending Articles